社長のごあいさつ

本日、2023年9月期の決算発表を行いました。

「2023年9月期決算短信」に記載の通り、当連結会計年度(2022年10月1日から2023年9月30日まで)における世界経済は、諸物価の高止まりに加え、欧米におけるインフレ防止策の影響や地政学リスクの高まり等で、景気の天井感が出始めました。

高級二輪乗車用ヘルメット市場は、当連結会計年度前半は、コロナ禍において二輪乗用車が三密を避ける移動手段・レジャーとして高い人気を持続しましたが、後半は、ポストコロナにおける同ブームの減速、かつ上述の世界経済の現況下、欧州での天候不順などが加わり、かつての勢いが衰えてきました。然しながら、好調な前半が牽引する形で当連結会計年度を通じ、概ね良好な販売を享受することができました。

このような状況下、当社は期初に策定した計画通りに生産・販売を実行すると共に、当社が推し進めているお客様のニーズに沿った新モデルの開発・製造及びお客様の安全をサポートする販売・サービス体制を引き続き成功裏に持続させました。

当連結会計年度における日本及び海外を合わせた販売数量は前年度比2.8%増となりました。欧州市場の販売数量は、需要の落ち着きを反映して前年度比0.2%増で推移しました。北米市場の販売数量は、代理店が前連結会計年度において販売好調ななかで積み増した在庫の調整を図ったこと、及び当連結会計年度の需要減により、前年度比47.7%減となりました。日本市場の販売数量は、前年度比2.3%減ですが当連結会計年度内ではポストコロナの需要減は見受けられませんでした。アジア市場の販売数量は、中国において好調な需要が続くなか、前々連結会計年度の代理店による発注出遅れの影響も一巡し、販売が前年度比90.1%増と大幅に増加したことから、前年度比72.8%増となりました。

当連結会計年度の業績につきましては、中国を中心とするアジア市場の好調と円安効果が牽引し、売上高は33,616,724千円と前年度比4,663,211千円(16.1%)の増収となりました。資材費等のコストアップはありましたが、2022年10月に行った一斉値上げと新たに投入した新モデル(X-15シリーズ)発売に伴う単価アップ等から、営業利益は9,825,750千円と前年度比1,443,489千円(17.2%)の増益となりました。経常利益は9,858,156千円と前年度比1,354,637千円(15.9%)の増益、税金等調整前当期純利益は9,859,169千円と前年度比1,355,599千円(15.9%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は7,068,677千円と前年度比1,050,068千円(17.4%)の増益となりました。

今後の世界経済は、欧米におけるインフレ防止策の影響や地政学リスクの高まりが続くことから、全般的にブレーキがかかり、一部国・地域では景気が後退するリスクも存在するとみられます。
高級二輪乗車用ヘルメット市場は、上記の経済状況のなか、コロナ禍で高まった二輪乗用車ブームの減速に天候不順なども加わり需要が減退する一方で、生産体制や国際物流の改善により製品が潤沢に供給され、足下流通は在庫過多の傾向にあります。他方、欧州、中国における規格改定に伴い、主力モデル(NEOTEC Ⅲ、GT-Air Ⅲ等)がモデルチェンジすることによる新規格品に対する代理店・販売店の品揃え需要等があり、今後、需要が決定的に減退するとは考えておりません。欧州市場においては、当連結会計年度に在庫が積み上がった当社子会社が新規発注の調整を余儀なくされる見通しであるものの、現地在庫と新規仕入れ合計では販売量は微減に留まる見通しです。北米市場は、景気が比較的底堅く推移しており、又、代理店も過度な在庫過多の状況にはないため、当社製品も順調に販売が推移すると予測しています。アジア市場は、中国市場において、景況感が不透明となりつつあることに加え、新規格の認証手続きに時間を要したこともあり、期初は販売がある程度落ち込みますが、主要モデルの新規格認証取得は既に完了していること、ブランド力のある製品は立ち直りが比較的早いと分析されていることから、その後は安定した需要が続くと予測しております。日本市場は、ポストコロナも比較的堅調な需要が続いており、翌連結会計年度を通じて安定的に継続すると想定しております。

このような状況のなか、2024年9月期(2023年10月1日から2024年9月30日まで)の連結業績の見通しにつきましては、売上高は35,120,000千円と当期比1,503,275千円(4.5%)の増収、営業利益は9,630,000千円と当期比 195,750千円(△2.0%)の減益、経常利益は9,630,000千円と当期比228,156千円(△2.3%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益6,770,000千円と当期比298,677千円(△4.2%)の減益としております。為替レートにつきましては、通期平均で1ドル=140円、1ユーロ=150円を前提としております。

株主の皆様を始め、お客様並びにお取引先におかれましては、何卒より一層のご支援ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

2023年11月15日

株式会社 SHOEI 代表取締役社長
石田 健一郎

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