Construction and Function
─ ヘルメットの構造と機能 ─

ヘルメット各部の名称と機能

ヘルメットには用途に応じてさまざまな形状や構造のものがあり、その中でもモーターサイクル用ヘルメットは、保護性能や衝撃吸収性能が最も高い部類に属し、強靭なシェルや厚い衝撃吸収ライナーを装備するなど、その構造は他と大きく異なります。
また近年では、例えばシェルは保護性能とともに空力性能や軽量化を担い、衝撃吸収ライナーにはベンチレーションのためのエアルートが設けられ、内装にも救護に役立つ機能、静粛性が盛り込まれるなど、すべてのパーツでPassive SafetyActive Safetyを考慮しながら総合的に設計することが重要になってきました。
SHOEIは最新の技術と設備、長く蓄積した経験、卓越したクラフトマンシップを融合し、双方の安全性すなわちSHOEI SAFETY CONCEPTを最大限に具現化したプレミアムヘルメットを開発・製造しています。

シールド

走行時の風や埃、虫などの侵入を防ぎ、あるいは強い日差し、紫外線等から目を保護するシールドには、歪みを極限まで抑えた自然でクリアな視界が要求されます。また、走行時のコンディションに対応するスモークカラーはもとより、紫外線に反応して発色し、眩しさを軽減するPHOTOCHROMICシールドの採用や、強力な防曇効果を発揮するPINLOCK® EVO lensの採用/装着など、近年シールドは著しい進化を遂げています。

シールド光学試験

視界の歪みの原因となるシールドの非点収差を解析した画像。左からCWR-1、CW-1、一般的なシールドで、最新のシールドであるCWR-1が最も歪みの少ない性能を示しています。

PHOTOCHROMICシールド

PHOTOCHROMICシールドの発色・退色の模様。紫外線に反応し、短時間で色が変化していることがわかります。

シェル

ヘルメットの硬い外殻をシェルといい、転倒などによる衝撃を分散・吸収する役割を果たします。SHOEIではすべてがFRP製で、高性能有機繊維を積層することで、軽くて強靭なシェルを製造しています。

衝撃吸収ライナー

シェルの内側に位置するライナーは、軽くて衝撃吸収性の高い発泡スチロール製で、転倒などの際にシェルと頭に圧し潰されながら衝撃を吸収します。2層構造や多段発泡など衝撃吸収に対する技術の追求に終わりはありません。

内装

内装は適度な硬さのウレタンフォームと肌触りの良い生地で構成され、心地よいフィット感と安定したホールド性能をもたらします。X-Fourteenでは、センターパッドを6つに分割。さらに細かな被り心地の調整が可能となりました。

チンストラップ(あごひも)

ヘルメットを頭に固定するためのバンドです。破断や伸びに強い特殊な合成繊維製で、丈夫な金属パーツとリベットによって帽体に固定されています。

ベンチレーション

ヘルメット内を換気する機構で、外気を導入し熱気・湿気を排出します。SHOEIでは風洞実験により最適な設置位置、そして最も導入効率の良い形状を追求し、高いベンチレーション効果を実現しています。

風洞実験

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