Active Safety
─ 「万が一」を起こさないための性能 ─

SHOEI独自のシールドシステム

走行時の風や埃などからライダーの顔面を保護するシールド。現在ではフルフェイスのみならずジェットタイプなど多くのヘルメットに装備されています。SHOEIのシールドは現在、すべてがポリカーボネイト製のインジェクション成形を採用し、歪みの少ないクリアな視界を確保しています。さらに、万が一の飛び石などに対応する強靭さを持ち、素材自体に紫外線吸収成分を添加することで有害な紫外線を減衰するUVカット機能、水分をはじく撥水加工、キズが付きにくいハードコートを施すなど、極めて高性能・高機能なシールドになっています。

X-Fourteen シールド

J-FORCE IV シールド

上記に加え、様々な点で着実に進化を続けているのがSHOEIシールドシステムの特徴です。近年登場したシールドはその光学特性が飛躍的に向上しているほか、上端・下端にリブ(段差)を設け剛性を上げることで開閉時の操作性がアップ。また、可変軸ダブルアクションのシールドベースと相まって気密性が高まり静粛性が格段に向上しています。
PINLOCK® EVO lensは、防曇加工を施したシートとシールドの間に空気の層を作ることで、低温時や降雨時においても強力な曇り止め効果を発揮するシステムで、近年のヘルメットでは標準となりつつある装備です。SHOEIシールドシステムの大きな特徴は、一部のモデルを除き、PINLOCK® EVO lensのシリコン製シールが視界にかからぬよう、その面積が極限まで拡大されていることです。

フォトクロミックシールド

フォトクロミックシールドは、太陽光(紫外線)に当たると発色し、強い日差しのもとで自動的に防眩効果を発揮するという画期的なシールドです。太陽光が弱まれば色が薄くなるので、ライダーは1日を通して快適な走行を楽しめます。

インナーサンバイザー

インナーサンバイザーは走行環境に応じて自由に出し入れできる格納式のスモークレンズです。利便性に優れることはもちろん、欧州サングラスレンズの規格をクリアする精度を誇り、PINLOCK® EVO lensを装着したシールドと組み合わせても理想的な光学特性を維持。世界各国で高い評価を受けています。

シールドベースの構造もSHOEIヘルメットの大きな特徴です。風切り音の低減に効果的なカバーレスで、工具を使わず簡単にシールド交換できるのはもちろん、主流となりつつある可変軸ダブルアクションの開閉機構やシールド位置の微調整機構と相まって、完璧な密着性・気密性を実現しています。
また、シールド周りの小さなパーツにもレースからのフィードバックが活かされています。簡単な操作でシールドを確実にロックできるダブルロック機構は、転倒時にグラベルの小石がヘルメット内に侵入して顔や眼を負傷することを防止する大切な装備です。さらに、ピンロックシートのピンと同軸になっているティアオフフィルムのボタンは調整が容易な偏心式アジャスターで、一方向にしか回転しないラチェットタイプ。これによりピンロックシートとティアオフフィルム双方のテンションを同時に素早く調整することが可能となっています。

可変軸ダブルアクションシールドベース

X-Fourteen ティアオフシールドボタン

ピンロックシート装着例

PINLOCK® EVO lensを装着したCWR-1シールドの断面図

シールドの開閉耐久検査は人の手で

SHOEIが誇る可変軸ダブルアクションのシールドベースは、単純な回転軸ではなく、シールドが閉まる瞬間にシェルに密着するように動作します。その複雑な動きとさらにシールドが閉まる瞬間の感触までもが品質と考え、機械での単純な開閉耐久試験のほか、品質管理課のスタッフが交代しながら手作業での開閉耐久試験も行っており、そのは数はなんと10万回。耐久性が求められるうえに手で操作する部分なので、実際の使用状況や人間の感覚を重視したテストと言えるでしょう。

安全性と利便性を追求したチンストラップとバックル

マイクロラチェット式バックル

内装とともにヘルメットを頭部にフィットさせるもっとも重要なパーツがチンストラップ(あごひも)とバックルです。チンストラップに関しては各安全規格で厳格に強度が規定されており、さらにライディングウェアの面ファスナーと擦れてもほつれにくい編み方を開発するなど、このパーツも着実に進化しています。
また、バックルに関してはDリングが長らく主流となっていますが、ツーリングモデルでは利便性に優れるマイクロラチェット方式を採用するモデルも増加しています。Dリングに劣らぬ強度を維持しつつ、簡単確実に着脱や微調整ができる機能を付加することは容易ではありませんでしたが、安全性に直結する主要パーツを高品質なステンレス製とし、必ず2つ以上のラッチが噛み合うロック機構や、ロック解除レバーと内部のロック機構を別部品とすることで、意図しない開放を防ぐ構造の採用など、利便性と確かな締結性能、耐久性を高次元で実現しています。

ツーリングモデルとレース対応モデルの装備が異なる理由

SHOEIは用途に応じて様々なタイプのヘルメットを開発・製造していますが、ツーリングモデルとレース対応モデルでは装備に多くの違いがあります。例えばNEOTEC IIとXFourteen。最高峰のツーリングモデルの一つであるNEOTEC IIでは、開閉式のフェイスカバーや格納式のスモークレンズであるインナーサンバイザー、静粛性を向上させるノイズアイソレーター、ヘルメットの着脱に便利なマイクロラチェット式チンストラップなどを装備しています。一方、レース対応モデルのフラッグシップX-Fourteenは、前傾ポジションでもより広い上方視界が得られるように被り角度調節可能な内装や、チークパッド周辺の換気性能を追求したチークベントシステム、軽さに優れるDリング式のチンストラップなどを装備。これらの違いはそれぞれのカテゴリーで求められる性能や快適性を追求した結果であり、SHOEIはあらゆるライダーにハイレベルなActive Safetyを提供するため、製品ごとに最適な装備を研究・開発しているのです。

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